猛暑と長引くコロナの影響で不安を抱えた夏を迎えています。第7波のコロナ感染状況がピークを迎え、刻々と変化するニュースからの対応策にも 現場では苦慮の連続。職場の責任者のストレスと疲弊は相当なものです。部下であるスタッフたちも同様、日々の仕事のやり方の変更を強いられるままに モチベーションが低下しがちです。
サービス業の現場は混乱が顕著です。非接触、省力化と人員カット、急激なシステム変更とオペレーションの模索。この3年で接客のやり方は大きく変わりました。
大きな問題はコロナ後の教育の欠如です。基本的なビジネスマナーとコンプライアンスの指導を全く受けられぬまま現場に立つスタッフと システム変更に慣れぬお客様との間にトラブルやクレーム、不満が続出してしまっています。
先の見えない模索の時代の中、現場での取り組み事例とリーダーたちへのアドバイスをお届けいたします。

コロナ前の仕事のやり方は過去のもの。職場でもお客様と接する現場でもルールと価値観はすっかり変わっています。
先月決めたやり方も果たして今 正しいのだろうか?　スタッフもお客様も不安の中でこちらの対応を注視しています。その時に必要なのはタイムリーな判断と指揮です。上司(職場)からの「明確な指示(新ルール)」が今は最も大切な鍵。
早くから「 2022年版のルールは月替わり」と規定している企業を見ていると 早期の的確な判断がチーム全体をブレがなく牽引しています。まさに時代に即したレジリエンスの方針。
その代わり、新マニュアルには「お客様との会話」「言葉づかい」をしっかりと明記することがポイントです。今ほど謙虚で丁寧な言葉が求められる時期はありません。コロナの影響でこれほどお客様へ我慢と協力を強いたことはないのですから。
『恐れ入ります。(こちらでアルコール消毒をお願いいたします)』『申し訳ありません。(コロナの影響でただ今このサービスを中止させていただいております)』　もしこのクッション言葉がなければ お客様にどれほどにきつい印象を与えてしまうでしょう。
スタッフたちの身だしなみへの視線も厳しくなりました。ルーズヘアや不衛生なユニフォームはアウトです。
マスクで顔が隠れるため おでこを広く見せるすっきりヘアが正解。顔にかかる後れ毛や無造作ヘアはピンなどでとめて不潔さを見せないことです。マスクのつけ方や手指の衛生、ユニフォームのマメな交換にも常に厳しく指導していきましょう。
今年の夏は、変化に適応した「タイムリーな指示出しとルール決め」こそ 職場リーダーの重要な仕事です。
2022年版マニュアルをきちんとアップデートし、お客様への大事な基本ルールを「明確に」スタッフに伝えていくことが重要。曖昧なルールの中で現場スタッフの動きに迷いが起こらないよう強いリーダーシップが求められます。

コロナ時代の大きなキーワードは「感染対策の見える化」です。
ホームページのトップに「感染対策」をしっかりアピールできていますか? 店頭・店内の掲示も大切。企業の「安心・安全」「感染予防体制の本気度」をしっかりと伝えるべきです。お客様は質の高い企業を選んでいます。(努力も 伝わらなくては意味がありません)
もうひとつ、忘れてはならないのが「スタッフスペース」。
これまで以上に「清潔」「衛生管理万全」「従業員保護」を重要課題として取り組みましょう。後手に回っている職場からはスタッフたちから不満の声をよく聞きます。
スタッフあっての事業運営。健康管理、クリンリネス指導、清潔安全なバックスペース環境、換気、アルコール消毒、食事や休憩スペースの衛生管理、出退勤への配慮。こちらも十分な取り組みをお願いします。

皆さまもよく感じていらっしゃると思いますが 明るいリーダーが牽引している職場は活気が全然違います。商売を営む店舗にしても 多くのお客様を引き付ける原動力です。リーダーの声が明るい、言葉がポジティブなことは大きな利点です。
逆に上司がいつも暗い言葉を発してしまう職場は スタッフたちの士気も低く萎縮していきます。
「OK!」「いいね!」「大丈夫!」「いけるいける」「あと少し!」「みんなでがんばろう!」　リーダーの発する言葉は「魔法」です。
リーダー自身も、スタッフたちも みんな不安で手探り、先の見えない毎日。たまには気持ちのいい風に吹かれたいと思って当然です。きつい風ばかりに吹かれていると 人にやさしくなれないもの。
厳しく不安定で ぎすぎすしがちな時期こそ 相手をクスっと笑わせるような明るい言葉で職場の空気をカラっと持ち上げていきましょう。