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現場での人材育成は “ペアリング” が功を奏す

スタッフは人と人の「組み合わせ方」で成長が変わる

社員・スタッフの育成は 特別な教育・研修により実現するばかりではありません。
日々の業務の中で大きく成長する仕組みをご紹介いたします。組む相手、共にプロジェクトを進めるチーム、一緒にお客様の接客にあたる相手、コンビで営業に行くパートナー。つまり「誰と一緒に仕事をするか」によって 人の成長スピードは大きく変わります。
人出不足に悩むサービス接客業では殊に顕著な傾向ですので 是非ご一考ください。

人材多様性の時代の中でマンネリ化していないか?

いまや人材も雇用形態もすっかり多様化してきました。アルバイトのZ世代も、シニア雇用も、ダブルワークも、フレキシブル勤務も、子育て支援雇用も、ひとつの職場内での混然と定着しているのではないでしょうか。
時代とともに急変していく職場環境の中で、皆さんの現場でのチームメンバーの「構成」はアップデートさせていますか?
今こそ人材の成長機会に この「多様性」を活かせないとしたら 本当にもったいないのです。

「異なる人材を組み合わせる」 この大事な意味とは?

「異質なものの掛け合わせによるパワー」を実践している企業が増えました。
「異なることの強み」とは何でしょう?

【Z世代】ITリテラシーの高さはもちろん、最新テクノロジーには圧倒的に強い人材たち。情報量と拡散力の大きさは業務の大きな財産。
【女性スタッフ(パート・アルバイト含む)】きれい好き、掃除好き、衛生観念が高い(コロナ時代の必須資質)。コミュニケーション能力、ホスピタリティ資質、情報収集力、トレンドへのアンテナの高さ。新企画、チーム作り、教育には貸せない人材たちです。
【シニア、非正規雇用年配スタッフ】縁の下の力持ち、まさに大人の補佐役として最も必要な方々です。誠実で常識ある人間力、トラブル対応力には誰も叶わないものを備えている人材層です。

これらの異なった優位性・資質・スキルは「異なるものと合わされる」ことによりさらに大きく発揮されるのです。


「新人×ベテラン」「若手×熟練者」「男性×女性」「正社員×非雇用」

自分が20年以上関わっていたレストランでの大きな成功例をご紹介いたします。
接待商談のご会食の多い「赤坂璃宮」(個室レストラン)での接客サービスの現場事例です。20数年前の開業当時、個室担当の「接客スタッフの組み合わせ」を意識せず、むしろ女性スタッフ、若手、ベテラン同士といった気の合いそうな同質ペアにサービスを担当させていました。すると何が起きたかというと、各個室の空気感、テンポ、顧客満足度の「偏り」です。若手女性スタッフ組、ベテランスタッフ組。 サービスの空気が固定化してしまい、どちらにも目に見えない「欠落」が生まれていました。それはペア構成による「会話」や「テンポ」「落ち着き」「熟練度」の偏りがもたらしていたのです。

そこに気づいてから、敢えてペア(スタッフの組み合わせ)を入れ替えてみました。
新人女性スタッフ×ベテランシニア、若手女性スタッフ×熟練黒服スタッフ、男性×女性。
すると意外にもサービスが「生きた」のです。
異質な者の組み合わせにより、お互いの弱点を補完し合い、それぞれの良い個性が前へ出る。シニアの熟練サービスマンの仕事は無駄がなく美しい。会話の「間合い」もさすがに絶妙。それを見ながら一緒にサービスにあたる若手新人スタッフは「接客の勘どころ」を自然に身に着けていきます。未知の仕事の幅やレベル感に気づき仕事が面白くなる。熟練者の方も、若手に指導することのコミュニケーションの中でさらに人格と腕が磨かれていくようでした。
結果 お客様からは「安心してサービスを見ていられる」「接客が安定した」と評価されていったのです。

『自分の足りなさを補完してくれると 安心して個性とスキルを発揮できる』
スタッフの「能力開発」の観点から とても大きな気づきでした。

営業でも、プレゼンでも、新規プロジェクトでも

仕事を組む相手の持つ「持ち味」「優秀なスキル」「熟練」「知恵と知識」から人は多くを学びます。異質な者が組んだからこそ気づく「仕事のコツ」はとても大きいのです。いつも同質なメンバーとしか動いていなかったら決して得られないものです。
営業チームでも然り。よほど優秀な社員であっても自分単独の面会よりコンビを組むのは意味があるのです。男性と女性、若手とベテラン社員、専門分野の違うペア。ここでも お客様の感じる安定感は確実に増します。
大きなプレゼンの場でも、安心して視聴できるのは重層的なメンバーの発表だからです。世代や専門性が偏ったペアの発表は やはり欠落点が見えてしまうものです。
新規プロジェクトのチームを結成させる時も同様です。
同世代メンバー、女性チーム、専門家チームは確かにやりやすい点も多いかもしれませんが、「完成度」と「総合力」にはどうしても偏向による落ち度が出てしまう可能性が大きい。
チームを構成する際、最近よく言われるのは「混ぜるから強い」
これは是非意識していただきたい理論ですね。

「ペアリング」の成功法則を能力開発に活かす

社員・スタッフの能力開発は「場」と「教育者」で決まります。
日々の仕事の中で 気づきを得て モチベーションを上げ 本人の持ち味をも伸び伸びと活かすために、是非「異なる者を組ませる」という手法を大いに活用してみてください。

ほどよい刺激と良い化学反応。
変化と多様性の時代の中での人材育成に取り組まれる皆さまへ。
「誰と誰を組ませるか?」の配置(ペアリング)は この時代の大きなキーワードになっています。

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