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後継者を孤立させない「もうひとつの大事な教育とは?」   (後編)

なぜ後継者に「対人スキル教育」(人格教育)が必要なのか

(前編から続く)

⑤社長の「言葉づかい」と「振る舞い」は信用を左右する

もし後継者の言葉づかいや癖に 目に余る問題があるようでしたら 早期に改める指導をすべきです。乱暴な言葉遣い、聞き取りにくい小声の話し方、要点のまとまらない長話の癖。また姿勢の悪さや横柄に見えてしまう態度も相手からの信頼を損ねる元です。実は本人は気づいていないことも多いのです。これまでとは違い周りから「社長」として注目されていること、トップにはトップの言葉があること、会社の代表者として誠実で的確で堂々とした言動が必要なことを十分に納得させることからです。社外交流の場で大人の振る舞いを見せることも良き近道ですね。

⑥電話・メール・文書の基本マナーは人間関係の土台

「今さら聞けない電話とメールのマナー」 若手経営者の勉強会で必ずマナー指導を求められる事項です。確かに若い世代は目上の方への電話が大の苦手で、実はビジネスメールの正しい基本ルールに自信がないようです。社長になれば社長名でのビジネス文書や案内状、礼状も作らなければなりません。SNSもこれまでの気分で続けるとコンプライアンスや常識に抵触しかねない点にも注意が必要です。後継者にはぜひ「基本の基本」のビジネスマナーを初めに再教育すべきです。

⑦スマートな接待・商談・もてなしの作法を教える

後継者が身に着けるべき「対人スキル」の代表的なものです。人間関係とおつき合いの場も変わっていきます。取引先との打ち合わせや商談、訪問客への応対、社外行事や会合、パーティへの参加はどんどん増えていくでしょう。大事な方や取引先を個室レストランで接待をする機会も必ずあります。会合一つでも人と会う時には準備がいかに大切であるか。「もてなしの心と作法」も社長業の要です。一つずつ場慣れをさせながら 先達たちが良き手本として大人の社交マナーを教育していきたいですね。

⑧後継者が身につけるべきは「常識」「感謝」「社交術」

今回のテーマで「後継者のもうひとつの大事な教育」として述べたかったのは、「常識」「感謝」「社交術」の教えを見落とさず、なるべく早期に身につけさせてほしいということです。人づきあいの基本的な事ほど知りたい、自信がないのに今さら聞けない、が本音。小さな成功体験を一つずつ重ねていくと 見違えるように自信をつけ、周囲からの信用も高まっていくものです。

誰が教育者になれば上手くいくのか?

後継者を孤立させないためには ブレーンとメンターが必要です

①社内のブレーンが育てながら相談役として支える

特に後継者になりたての時期「相談できる相手がいない」という悩みを多く聞きます。経営幹部や顧問らから経営実務や財務、取引関係など多くの教育を受ける日々。理解と行動が追い付かない状況に追い込まれてはいないか。プレッシャーに潰されていないか。自分の意見を言える場がなく孤立していないか。信頼でき相談しやすいブレーンをつけることは非常に大切です。少なくとも数名の適任者を選ぶべきでしょう。

②社外のメンターが補佐役となりサポートする

実は後継者にとり社外の教育役、補佐役がいることはとても有効であり心強い支えになります。社内では本音が言えず、聞きたいことが聞けない時もある。特に人づきあいの礼儀や作法は今さら教えてもらえない。社内の人間関係の悩みも多々抱えているでしょう。また本人の身なりや言動に関わる人格教育は外部の人間の方が指導しやすい場合も多いものです。顧問やコンサルタイトとしての立場でも良いですが メンタル面も含め 対人スキルに自信をつけさせる良き教育者を見つけてほしいと思います。

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